能楽研究!

2011.01.15

SN3F0741

松戸市小金原しんぽ歯科医院の新保です。
私が海城中学時代に古文を教えて頂いた、現在は国士舘大学で教授をなさっている表きよし先生が歯のクリーニングにいらっしゃいました。
その際、一冊の本をプレゼントして頂きました。 昨年11月に急逝されました表きよし先生のお父様、表章先生の最後の遺作「能楽研究講義録」です。
この本は日本の学術賞として最高の日本学士院賞、恩賜賞を昨年受賞されその祝賀会で配るはずだったそうです。
表きよし先生は能楽研究の第一人者で法政大学名誉教授、能楽研究所所長を歴任されている経歴の持ち主です。
本をプレゼントされて初めて気付きましたが、そういえば私は今まで一度も能楽を観た事がありませんでした。
自国の伝統芸能であるのに・・・。
そんな自分にこの本は難しいのでは?と先生に尋ねたところ、先生曰く
「大阪大学の大学院生向の講演をまとめたものだから読みやすいですよ」との事。
早速興味深く読ませて頂いています。

表先生のお父様は当医院の5軒隣に住んでいらっしゃいました。
町会の仕事の縁で、以前お話した際『うちの息子はあなたが中学の時、古文を教えていたのですよ。』とおっしゃっていました。
こんな近所に、私の悪ガキ時代を知っている人がいる(汗)これはマズイ!とあせった記憶があります。まさかそんなに偉い方だったとは・・・・。

その後、息子さんのきよし先生が治療にいらして数十年ぶりにお顔を拝見しましたが、
鉄拳制裁が当たりまえの海城中学において仏様の様だった先生は当時そのまま、お変わりがありませんでしたが
まさか先生の生家がうちの歯科医院の5軒隣りとは驚きでした。
頂いた本を読むうちに興味が出てきたので、表章先生の他の著書も調べてみたところ何やら面白そうな書籍が。
歴史好きの私の目に留まった本。
『昭和の創作、「伊賀観世系譜」梅原猛の挑発に応えて』。

不世出の能役者で能作者である世阿弥の父、観阿弥の出身地についての論争について検証した本です。
観阿弥の出身地については伊賀の国であるという説と大和の国であるという説という諸説があります。
大和説を唱える表先生が伊賀説を唱える梅原猛氏に真っ向から対決、楠木正成との縁戚
関係も創作ということを論証した本との事です。
ぜひ読んでみたいと思います。
謹んでご冥福をお祈りいたします。